世界 綿花
2018/19年、綿花消費は2,750万㌧の予想
国際綿花諮問委員会(ICAC)によると、中国が米国産綿花に対して関税をかけたことで、綿花の国際価格は6月の101.7㌣/㍀を下回ったものの、アジアと東南アジアにおける需要が高いため、価格は8月初旬に再び上昇した。通常、価格が上昇すれば作付も増加するが、2018/19年は好ましくない環境条件と水不足が原因で、世界の主要な綿花生産国で作付面積は縮小する見通しである。
米中貿易関係に緊張が続いているため、世界貿易の動向に大きな変化が生じる可能性がある。関税引き上げにより、最大輸出国である米国が、中国以外で綿花の輸出先を探すことになれば、ブラジルなど主要な綿花輸出国が中国への輸出を増加させることが予想される。
2017/18年の世界の綿花生産は、前年比16%増の2,687万㌧であった。主要綿花生産国であるインド、中国、米国、ブラジル、パキスタン、西アフリカ、トルコ、オーストラリア、ウズベキスタンの全ての国で増加したと見られる。しかし、この増加は、世界の作付面積が1%拡大したことと天候が良好であったことによるものと言えるため、2018/19年は世界の生産は4%減少し2,590万㌧となると予想される。
世界の綿花消費が1年を通して多い状態が続いているため、160万㌧の在庫が減少し、2018/19年末に1,770万㌧となる見込み。中国の在庫は5年連続で減少し、750万㌧となる予想。中国以外の国では1,010万㌧と横ばいとなる見込み。
世界の綿花需給見通し
(100万㌧)
*Cotlook Aインデックス(セント/ポンド)価格は、中国を除く世界の在庫率の見通し、中国の綿花輸入見通しをもとに推計した。