日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(世界) 世界の繊維品貿易3年ぶりに増加—2017年

2018年09月28日
日本化学繊維協会

世界 繊維貿易

世界の繊維品貿易3年ぶりに増加—2017年

 このほど発表された世界貿易機関(WTO)のWorld Trade Statistical Review 2018によると、2017年の世界のテキスタイル貿易額(輸出ベース)は前年比4.2%増の2,661億㌦、アパレル貿易額は同2.8%増の4,545億㌦となった。ともに、2014年以来3年ぶりの前年比増となった。

①テキスタイル輸出
 2017年のテキスタイル輸出の上位国・地域は、中国(前年比5.0%増の1,099億㌦)、EU(同5.1%増の211億㌦)、インド(同5.9%増の172億㌦)、米国(同5.5%増の136億㌦)、トルコ(同4.9%増の114億㌦)の順となった。
 2010年以降の年平均伸び率では、韓国、台湾、香港といった極東地域がマイナス成長となる一方、中国、インド、トルコ、ベトナム等は堅調な伸びを示している。

2017年のテキスタイル輸出(上位10ヵ国・地域)

②アパレル輸出
 2017年のアパレル輸出の上位国・地域は、中国(前年比0.1%増の1,584億㌦)、EU(同12.2%増の309億㌦)、バングラデシュ(同2.3%増の293億㌦)、ベトナム(同9.3%増の267億㌦)、インド(同2.4%増の184億㌦)の順であった。
 2010年以降の年平均伸び率では、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアといった低コスト国が年率2桁の伸びを示している。
中国については、アパレル輸出が大幅に鈍化する一方、テキスタイル輸出は依然として堅調に推移しており、繊維産業の高コスト化でアパレル産業が海外展開を進めていることに加え、ベトナム、バングラデシュ、カンボジアなどのテキスタイル基盤の弱い低コストアパレル輸出国にとっての重要な素材供給源となっているとみられる。

2017年のアパレル輸出(上位10ヵ国・地域)

③テキスタイル輸入
 2017年のテキスタイル輸入の上位国・地域は、EU(前年比5.1%増の308億㌦)、米国(同1.5%減の283億㌦)、中国(同3.7%増の173億㌦)、ベトナム(同5.2%増の137億㌦)、バングラデシュ(同6.8%増の94億㌦)の順であった。
 2010年以降の年平均伸び率では、EU、米国が緩やかに増加する一方、ベトナム、バングラデシュといった低コスト国が、アパレル輸出の増加に伴い、高い伸びを示している。

2017年のテキスタイル輸入(上位10ヵ国・地域)

④アパレル輸入
 2017年のアパレル輸入の上位国・地域は、EU(前年比3.2%増の987億㌦)、米国(同3.2%減の883億㌦)、日本(同0.7%増の281億㌦)と上位の先進3ヵ国・地域が世界全体の過半を占めている。次いで、香港(同6.0%減の124億㌦)、カナダ(同5.7%増の101億㌦)の順であった。上位では、ロシア、中国、スイスが前年比2桁の高い伸びとなった。
 2010年以降の年平均伸び率では、韓国、中国が年率2桁増と、高い伸びを示している。

2017年のアパレル輸入(上位10ヵ国・地域)