日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

化学繊維の用語集

織機

織機とは、経糸と横糸を交互に組み合わせる製織の工程を行う機械の総称です。織物の発達とともに多くの段階や種類が生まれましたが、大きく手機と力織機に分類されます。前者は人力によって製織するもので、足踏み織機なども含まれます。後者は動力によるもので、18世紀中頃から発達しました。織機は開口方式やよこ入れ方式によって、次の通りに区分されます。

1.開口方式の種類
タペット織機=カムとタペット(カムに接触して、その運動を伝える装置)と綜絖の開口運動をさせる方式で、最も簡単で、安く、高速化しやすい機構です。三原組織の大部分の織物がこの方式で織られています。ウオータージェット織機など。
例えば、ウォータージェット織機など。

ドビー織機=複雑な組織になって、完全組織の経糸本数が8本(綜絖枠8枚)以上になると、タペット方式では織れなくなります。ドビー方式では48本までの組織が織れると言われていますが、実生産に多く利用されているのは16本程度です。ドビー開口設備はタペット方式に比べるとかなり設備費用が高くなりますが、込み入った組織が織れることと仕掛ける織物の組織変更が比較的簡単にできるというメリットがあります。
三原組織より完全組織の経糸本数の多い織物に使われています。具体的には、変化組織、杉綾、ベネシャン(朱子織の一種)など。

ジャカード織機=経糸一本一本を独立に自由に上げ下げでき、織物の幅一杯の大きな模様まで自由に織ることができます。紋織はこの織機が用いられています。

2.横糸の通し方による区分
フライシャトル織機(有杼織機)=横糸を巻いた木管を中に入れたシャトル(杼)が開口された経糸の間を往復して作る織物です。横糸が織物の両端(耳と言います)で折り返されるので、耳がしっかりした織物になります。複数のシャトルを入れ替えながら柄を織ることができる多丁杼織機もあります。
シャトルレス織機(無杼織機)=シャトルを往復させる代わりに、糸端をくわえた棒で反対側まで運ぶレピア織機、小さな弾丸に糸端をくわえさせて飛ばすグリッパー織機、水や空気のジェット流に糸を乗せて飛ばすウオータージェット織機、エアージェット織機などをシャトルレス織機と呼びます。

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