日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

化学繊維の用語集

化学繊維の改質・改良

化学繊維は、天然繊維と違って改質・改良が比較的容易なため、繊維の原料(ポリマー)に機能剤を混ぜたり、紡糸段階で原糸・原綿に様々な機能(付加価値)を付与することが出来ます。天然繊維の場合は、糸や織物の段階で機能材を付与しています。

異型断面繊維
化学繊維は、普通円形の紡糸口より紡出され、繊維の断面は通常円形になりますが、紡出口金の孔の形状を三角形、Y字形、星形に変えるなどして非円形の断面の形状を作ったものです。これによって感触、風合、光沢が改善されます。

中空繊維
繊維の中を空洞にしたもの。紡糸の時にガスを発生させる方法や特殊な紡糸口金を用いる方法がとられています。軽く、保温性の高い繊維となります。

コンジュゲート糸(複合繊維)
成分の異なる2種類の原液を2つに区切られた紡糸口金から同時に紡糸し、1本の繊維としたもの。2成分が貼り合わされた構造になっているもの、芯・鞘構造になっているものなどがあります。これを熱処理して熱収縮率の差でコイル状の捲縮を発生させたタイプのほか、導電性成分を複合させて、導電性タイプにしたものなどもあります。また極細繊維製造技術にも活かされています。

混繊糸
2種以上の単繊維を何本か混ぜ合わせて1本のフィラメント糸としたものです。異なった種類のものを混繊する場合と同じ種類の異なった繊度のものや収縮性の違ったものを混繊する場合があります。

超極細繊維
明確な定義はありませんが、一般的な概念として0.1~0.3dtex以下の繊維を指し、かつナノファイバーを含めないことが多いです。0.1dtex級の繊維を主要素材とする人口皮革やより細い繊維で構成されたピーチスキン調、ヌバック調の織物などがあります。また、表面積が大きくなることによる吸着性能を生かして、工業用ワイパーやレンズクリーナーなどに利用される不織布や織物があり、洗顔用としても多く使われます。

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